鉄道模型入門堂 > 大人の趣味と言える鉄道模型 大人の趣味と言える鉄道模型私が初めて鉄道模型(Nゲージ鉄道模型)に触れたのは小学生の頃です。初めて鉄道模型を走らせた時は嬉しかったです。しかし、やがて飽きてしまい、鉄道模型から遠ざかってしまいました。 鉄道模型に飽きてしまった理由は、線路上に拘束された模型列車は単純な動きしかしない、実車に比べて列車の連結間隔が空いていてリアルではない(近来は連結感覚がリアルな鉄道模型もあります)、価格が高くて車両を沢山集められない…などでした。 ・左はTOMIX(トミックス)製国鉄EF81形電気機関車+KATO製 国鉄オハ47形客車 ・右はKATO(カトー)製 JR東日本キハ110形気動車 左は世界共通のNゲージ用連結器(アーノルトカプラー)を使用、右はKATO独自規格で実車の密着連結器を再現した製品。 しかし、成人後、ふとした事から再び鉄道模型を走らせたとき、鉄道模型の魅力に改めて気付かされました。 そこで気付かされたものとは、鉄道模型の魅力を感じ取るには多少の「人生経験」が必要であるという事です。 偉そうな事を書いてしまいとても恥ずかしいのですが、大人になる=人生経験を積めば、同じ線路の上をグルグル走っている鉄道模型にも、自分の人生や思い出を重ね合わせられ、いつまで見ていても飽きないのです。 「見巧者(みごうしゃ)」という言葉があります。見巧者とは江戸時代の言葉で「芝居などを見慣れていて、見方の上手なこと・人」という意味だそうです。鉄道模型にも同じ事が言えると思います。 また、鉄道模型は日本庭園の「枯山水」にも似ていると思います。京都・龍安寺の石庭など、石や砂で山水の奥行きある風景を庭という限られた空間に再現していますが、これは「見立ての世界を理解できる心」がなければ、枯山水を見たところで深い感銘を受けません。 私が思いますに、これら鉄道模型の見巧者となり、枯山水に感銘を受けるような「見立ての美」を理解できるようになるためには、鉄道ファンが持つような鉄道に関する知識があるとより深く鉄道模型を楽しむ事ができるのは確かですが、それ以外に「人生経験」という要素が重要ではないかと思います。鉄道模型を楽しむには人生経験(生きた時間の長さ、思い出、経験…その他)があると良いと思います。 人は年を取るに連れて誰でも「人生経験」は培われます。ですから、鉄道模型を楽しめる素養は、鉄道ファンの方でなくても十分にあると思います。そして、鉄道愛好者というと、男性の趣味と見られがちですが、女性もぜひ鉄道模型を楽しんで頂きたいと思います。 どうか「いい大人が汽車のおもちゃなんぞで遊ぶなんて恥ずかしい…」と思わないで下さい。鉄道模型は「嗜(たしな)む」ものです。鉄道模型を見ながら、自分の人生を噛み締め、振りかえり、見つめなおす…。鉄道模型はそういう崇高な「大人の趣味」だと思います。 ●鉄道模型で「思い出列車」を走らせる
日本は非常に鉄道が発達している国です。生まれてこのかた一度も鉄道に乗った事がない人は、日本には殆どいないでしょう。 日本は世界でも稀に見る鉄道の発達した国ですから、人々は様々な局面で鉄道を利用し、鉄道は生活の一部となり、日常そのものと言ってもいいくらいです。よく田舎の人は鉄道に乗らないと言いますが、交通弱者の高校生以下は通学に利用します。 通学、通勤、旅行…。これだけよく利用されると、「鉄道は思い出の一部」になり得ます。 通学や通勤に使った列車、故郷を走る列車、昔住んでいた思い出の町を走る列車、旅先で乗った旅情深いローカル線、子供の頃に憧れていた近所を走った特急列車、若い頃に新婚旅行で乗った思い出の列車…。現在、鉄道模型の車種は相当に増えており、高い確率であなたの思いで列車を再現する事が可能なのです。
究極的には、今は見られない懐かしい旧型列車や、廃線になった鉄道の風景を、鉄道模型で蘇らせる事も可能なのです。
●鉄道模型を始める利点鉄道に関心を持ち、好きになると、鉄道を単なる輸送手段としてではなく「文化」として捉える事ができるようになります。そうなれば鉄道を利用するときに退屈な時間と苦痛を味わう事が少なくなり、鉄道での移動に多少の楽しみを見出せるようになります。 さらに、鉄道模型の情景ジオラマを作ろうと思えば、その準備として現実の世界(過去の時代の情景ジオラマを製作されるなら過去の時代・歴史)を周到に観察・洞察し、森羅万象に興味を持ち、視野を広めて生活するようになり、結果、人格の向上に大いに貢献すると思われます。
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※このページの実車鉄道写真は「日本の旅・鉄道見聞録・裏辺研究所」様の写真を使用させて頂いております。 |