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鉄道模型の種類

●日本で気軽に楽しめる鉄道模型はどれ?

鉄道模型には様々な規格が存在します。その中で、商品のバリエーション・アイテム数、入手のしやすさ、機器の取り扱いの容易さ、価格…等を考慮した場合、日本で手軽に楽しめる鉄道模型は「Nゲージ」、それから「HOゲージ」という順番になるでしょう。

●Nゲージ鉄道模型

日本では実物の1/150(新幹線は車両が大型のために1/160)で製作され、レールの幅は世界共通で9mmです。レールの幅が9mmである事から「Nine」の頭文字をとって「Nゲージ」と称されたと言われています。

海外のNゲージ鉄道模型とは縮尺が若干違いますが、レール幅等の規格は同一ですので一緒に走らせることができます。

JRの在来線車両の模型の場合、1車両の長さは約15cmほどです。太さ・長さは「魚肉ソーセージ」を想像するとよいでしょう。

運転に必要なスペースは、床などにそのまま置ける組み立て式線路の最小構成で、直径約50cmの円です。これを二つに割って、その間に直線線路を好みに応じて付け加え、小判型の線路配置とするのが、もっともシンプルな楽しみ方です。部屋を丸々使わなくても周回線路が敷設できる点がNゲージの特長です。

Nゲージ鉄道模型入門セットの構成を再現

Nゲージ鉄道模型は、買ってすぐに楽しめる完成品車両が多く、また車種も豊富で、とくに近年は発売ラッシュの様相を呈しています。鉄道車両に留まらず、情景付きレイアウト(鉄道模型の列車を運転する機能を備えた情景ジオラマ)を製作するために多種多様に関連商品が販売されています。

また、線路の種類も豊富で、さまざまな線路配置を楽しめます。お座敷に鉄道の小宇宙を作る事も簡単です。

Nゲージ鉄道模型はその小ささから、かつてはディティールの細かさの点で、Nゲージの約2倍の大きさのHOゲージ鉄道模型に及びませんでしたが、製作技術が非常に進歩しため、HOゲージのリアリティーに迫るNゲージ鉄道模型もあります(但しそういうハイクオリティーな製品は従来の2倍以上の価格になっています)。

価格は、鉄道玩具に比べて割高ですが、大半の製品がプラスチック製という事もあり、Nゲージ鉄道模型は、鉄道模型の中では安価なジャンルといえます。


 ●KATO(カトー)製 Nゲージ鉄道模型 オハ31形客車 定価840円
戦前の古い客車ですが、魅力的な価格とディティール、アンティーク趣味で若い方が買い求める事もあります。これに国鉄の中・小規模な蒸気機関車(SL)C11形やC50形(価格が比較的安い)を組み合わせるのもいいかも知れません。


★貨車は旅客車両に比べて低価格な傾向があります。


●KATO(カトー)製 Nゲージ鉄道模型 トキ25000形無蓋貨車 定価525円

 
●KATO(カトー)製 Nゲージ鉄道模型 タキ3000形タンク貨車 定価840円


●HOゲージ鉄道模型

Nゲージの約2倍(縦・横)の大きさの鉄道模型です。日本では実物の1/80で製作され、レール幅は世界共通で16.5mmです。

HOとは「ハーフ・O」――Oゲージ(レール幅32mm)の半分という意味です。HOゲージは、Nゲージが隆盛するまでは日本で最もメジャーな鉄道模型でした。

大手鉄道模型メーカー「KATO(カトー)」の線路を使用した場合、模型列車を制御するコントローラーは、Nゲージ・HOゲージで共通して使う事ができます。

JRの在来線車両の模型の場合、1車両の長さは約25cmほどです。雰囲気は「太巻き寿司」を想像するとよいでしょう。

運転に必要なスペースは、床等にそのまま置ける組み立て式線路の最小構成で、直径約120cmの円です。HOゲージ鉄道模型は車両が大型ですので、直線コーナーも大きく取る必要があり、狭い部屋なら部屋一杯に線路を敷く事になるかもしれません。

HOゲージ鉄道模型は、金属製という事もあり非常に高価です。近来はHOゲージでもNゲージと同じプラスチック製の車両も出回っており、金属製車両に比べて安価ですが、それでもNゲージの数倍の価格になります。比較的手軽に楽しめるHOゲージ鉄道模型はNゲージに比べてアイテム数が少なく、線路の種類も少ないです。

HOゲージ鉄道模型の特長といえば、そのスケールの大きさが醸し出す迫力でしょう。ですから、短い編成の列車でも相応の迫力を楽しめます。逆に長編成の列車を運転するには、続き部屋のふすまを払うなどして相応のスペースを確保しなけばなりません。


★鉄道模型の革命児? 通称「U9」ゲージ

U9ゲージとは、Under 9mmの略です。レール幅がNゲージ鉄道模型の9mmよりも狭く、かつ低廉な鉄道模型の総称で、インターネットのコミュニティ上で生まれた言葉と言われています。

Nゲージ鉄道模型より小さなスケールの鉄道模型としては「Zゲージ」(縮尺1/220、レール幅6.5mm。最小の鉄道模型というニュアンスでアルファベットの最後の文字をとって「Zゲージ」と称せられた)があります。しかし、国産品はなく、スケールと価格が比例する鉄道模型の世界において、ZゲージはNゲージ鉄道模型よりも高価です。

そんなZゲージサイズ(もしくはそれ以下)の鉄道模型を、食品玩具(お菓子のおまけ)という位置づけで、1両500円以下という極めて低価格で販売するメーカーが複数出現しました。食品玩具といっても、例えば車両の全長を短縮して再現するようなデフォルメは一切ありません。食品玩具の枠内で、できる限り実物車両を再現しようという意気込みが感じられる製品たちです。

バンダイの「ZZ TRAIN(ジージートレイン。)」、タカラトミーの「マイクロゲージ」、タカラホビーの「日本の鉄道」、プラスアップ(旧アキア)の「ZJゲージ」などです。

なかでもプラスアップ(旧アキア)の製品は、鉄道模型と同じ電力方式で走り、前述のZゲージの線路を走れるといいます。しかし食品玩具という制約上、従来の鉄道模型のようなアイテムの充実と、ブラインドパッケージ(箱の中身が見えず、段ボール箱単位で買わないと好みの車両が買えない)の販売方式をやめるには至っていません。

今後はこれらよりも更に小さい「Tゲージ」(線路幅3mm(Three)に由来)が栄進堂から発売されます。

細かいディティールの面ではNゲージにおよばないものの、鉄道模型の見巧者となり、見立ての美が分かるようになれば、結構楽しむ事ができる製品と思われます。


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