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鉄道模型の仕組み

モーター付き車両と、モーター無し車両

鉄道模型の魅力の1つは、模型を飾るだけではなく実際に走らせられることにあります。そのためにはモーター付き車両が欠かせません。

●鉄道模型の機関車も実物同様に動力を持ちます。客車は実物同様に動力を持たず機関車に牽れて走行します。牽引力を増すため、機関車は実物同様に重く作られています。
TOMIX製EF81形電気機関車+KATO製オハ47型客車
●電車の場合は、モーター付きの車両を編成に組み込みます。モーター付き車両は牽引力を得るために重く作られていて、台車にはギヤが見えます。
     
  左・モーター無し車両の台車   右・モータ付き車両の台車

まず、実物の鉄道と同様に、機関車(電気機関車、ディーゼル機関車、蒸気機関車(SL)」の鉄道模型には、モーターが付いています。これで客車や貨車を引っ張ります。長い長い列車や勾配があると1台の機関車では満足に引っ張れず、機関車を2両つなげたりするのも、実物の鉄道と同様です。

実物の電車では、例えば10両編成の場合、モーターの付いている車両が半分くらいあります。一部の高加速電車やディーゼルカーの場合は全ての車両にモーターやエンジンが付いています。しかし、鉄道模型の場合は、編成の中に1両あれば十分です。ただし、編成が長い場合(15両編成など)や勾配がある場合は、モーター付きの車両を2両つなげます。

入手が容易な鉄道模型は「直流2線式」鉄道模型

国内で普及しており、鉄道模型入門堂で取り上げている鉄道模型−−Nゲージ鉄道模型とHOゲージ鉄道模型は、「直流2線式」と呼ばれる方式の鉄道模型です。

直流2線式とは、直流の電気を2本のレールに流しているという事で、レールの一方がプラスなら、もう一方はマイナスです。鉄道模型はこの2本のレールから車輪を通じて電気を得て、モーターを回して走行し、ヘッドライトやテールライト、室内灯も点灯させます。

鉄道模型を始めるためには、鉄道模型車両と線路、そして線路に直流の電気を流し車両を制御するコントローラーが必要です。鉄道模型の電気機関車を買ってもらったのに、コントローラーが無いからは走らせられなかった!」というのは、ビートたけしの自伝でテレビドラマにもなった『たけしくん、ハイ!』の有名なエピソードです。

●鉄道模型のコントローラー

コントローラーは、家庭用の交流100Vコンセント電源を、鉄道模型の世界共通規格である直流0〜12Vに変換し、線路へ供給し、列車の速度や進行方向をコントロールします。コントローラーは、鉄道模型メーカーによって「パワーパック」とか「パワーユニット」等と呼ばれています。

高価格なものほど、出力(A:アンペア)数が高いです。室内灯を全車両に装備した列車や、機関車を2両以上つなげて走る(重連運転)、追いかけ運転、長い編成でモーター付き車両を2両以上入れねばならない場合は、出力が高いコントローラーを使用しないとパワー不足になります。

鉄道模型のコントローラーは列車の運転以外に電動ポイント(遠隔操作できる分岐レール)への給電等にも使用します。

■ 鉄道模型「アナログ」コントローラー

低価格商品をはじめ、現在も商品の中心です。電圧の制御にはトランジスタなどを使用して車両の速度を調節します。分岐レール(ポイント)が入り組んだりしていない線路配置が比較的単純な鉄道模型運転場(レイアウト)なら、このコントローラーで十分に楽しめます。

■ 鉄道模型「デジタル」コントローラー

俗に「DCCDigital Command Control デジタル・コマンド・コントロール)」と呼ばれるものです。従来のコントローラーが、コントローラー側で電圧や極性を制御することで列車を制御していたのに対して、DCCコントローラーは常に一定の電気を線路に流し、車両に搭載した制御用マイコン(DCCデコーダー)にコントローラで指示を出し列車を制御します。したがって、2本以上の列車を同じ線路の上で違う速度・違う方向に走らせる事ができます。鉄道模型車両に制御用マイコン(DCCデコーダー)を取り付けていない場合は、アナログコントローラーとして使えます。

DCCでは、分岐レール(ポイント)をたくさん敷設するときも、各種の配線を省略できる利点があります。運転場(鉄道模型レイアウト)が複雑になった時に威力を発揮します。ただし鉄道模型入門者の方には、費用の面でも導入の敷居は高いかもしれません。


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