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鉄道模型 空想ジオラマ「エア・レイアウト」

お座敷レイアウトに栄光あれ

ギターを手に持っていない人がギター奏者になりきって流れている曲に合わせて「演奏」しているように見せる「エア・ギター」というものがあります。鉄道模型の運転でもこれを実践できます。その名も「エア・レイアウト」です。

鉄道模型を運転できるように組まれた線路の事を「レイアウト」と言います。鉄道博物館などにある固定された情景jジオラマの中を列車が走り回るものを「固定式レイアウト」と称するのに対し、お座敷に組み立て式線路を引いただけの鉄道模型・運転場を「お座敷レイアウト」「フロア運転」などと言います。

一見地味なお座敷レイアウトですが、あなどれません。「何も無いという事は想像の余地が十分にある」ということです。あなたの想像力次第で、いくらでも鉄道模型に感動する事ができます。その想像力を高めるためには、以下のポイントを実践すると有効かと思います。

 ●鉄道模型を眺める視点の工夫−模型列車に肉薄してみましょう

小さな鉄道模型でも、うんと近くで見れば迫力が増す…という何のヒネリもない話なのですが、これは効果絶大です。


列車に肉薄すると、こんな風に鉄道模型が見えます。しかも目の前を走り去ります。

鉄道模型を運転しているときの姿勢として多いのは、あぐらをかいて座るというものでしょう。鉄道模型レイアウトが広大だとこれでも良いのですが、小さな部屋に作ったレイアウトだと、列車が小さな周回軌道をクルクル回っているだけで興ざめしてしまいます。

これを改善するためには、うんと列車に肉薄して鉄道模型を鑑賞すればよいのです。

いちばん楽な方法は、線路際に頭・顔を持っていき、寝そべって列車を眺めるのです。大人だと恥ずかしくて、家族にも見られたくないものですが、これをやるだけで、単純な線路配置でも列車がイキイキして見えます。畳は寝そべるにもってこいです。頭が痛いと思う方や、フローリングでやる場合は、寝そべる下にマットを敷きましょう。

視点も、こちらへ向かってくる列車を眺めるのか、走り去る列車を眺めるのか、側面を眺めるのか、その角度も色々です。列車を、直線区間で眺めるか、カーブ区間でで眺めるか、というのもあります。各自で色々と実践して、お気に入りの「鉄道模型が格好よく見えるスポット」を見つけてください。

鉄道模型が格好よく見えるスポットを見つけて、そこで走り行く鉄道模型を眺めると、まるで自分が線路脇に立っているような興奮を味わえます。たとえNゲージ鉄道模型の小さな列車にしても…です。列車が巻き起こす風が頬をなでる様な錯覚を起こすほどです。

座って鉄道模型を見下ろしている方が多いと思います。 

鉄道模型お座敷レイアウトでの、お勧めの姿勢

鉄道模型の線路の近くに、うつ伏せに寝そべって見ます。 鉄道模型の線路の近くに、仰向けに寝そべって見ます。 鉄道模型の線路に平行または斜めに寝そべって見ます。

※ くれぐれも列車に接触しないようにご注意下さい。また汗などで湿気のある顔がレールに触れると軽く感電する恐れがあります。

※ 寝そべって鉄道模型を運転していると、あっという間に時間が過ぎます。鉄道模型は長時間走りっぱなしにすると、車両のモーターに負担が掛かりますので、30分以上連続運転をしないようにしましょう。キッチンタイマーをセットしておいて、鉄道模型を楽しむのもいいかもしれません。

●鉄道模型を「斜め」から見てみましょう。

鉄道模型は多かれ少なかれ、連結間隔が実際の鉄道よりは広いです。しかも、どんなに連結器が改良されている最近の鉄道模型であっても、「真横」から見てしまうと、連結の隙間から向こう側が見えてしまいます。

これを回避するためには、列車を真横ではなく、「斜め」から見ることを、お勧めします。

 

 

●線路周辺や周回線路の内側に物を置かない

鉄道模型の線路を敷く場合、部屋は片付けましょう。列車を眺める場合、視野の中に、部屋にある本や雑貨が入ってしまうと、一気に鉄道模型のリアリティがなくなってしまいます。ましてや、周回線路の中に、物を置いてはいけません。それが鉄道模型の箱であっても…です。

線路を敷く時も、たんすやTVなどの家具の前よりは、無地の壁が背景になるようにするとよいでしょう。

鉄道の情景に関係の無いものを排除すれば、お座敷運転も悪くないものです。


連結間隔が空いてしまう列車の真横を見ても、「グッとくる」ようになれれば、あなたはかなりの「見巧者」です。

畳を一面の畑に見立てることもできます。



ただし、皮肉なことに、部屋が狭かったり、収納(押し入れ等)が少なかったりで、どうしても部屋に物が溢れてしまうという方は、小型の「情景ジオラマ付きレイアウト」を作るのもいいかもしれません。非常に小さなレイアウトでも情景・ジオラマが付くだけで列車が非常にイキイキして見えるからです(小さなレイアウトゆえ短い列車しか走らせられないという欠点は、意外と気にならないものです。)。これは鉄道模型入門堂内にある「超・小型鉄道模型レイアウト(Nゲージパイク)だいそう鉄道」でもその効果が少し伺えます。


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