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鉄道マニア・電車マニア(鉄道ファン・電車ファン)入門)

鉄道模型をより楽しむためには、鉄道に関する知識は、無いよりあった方が、より深く鉄道模型を楽しめると思います。そこで、奥深い鉄道愛好趣味の、ごく表層を記します。

●電車に乗る「退屈」を「喜び」に変える?

鉄道マニア・鉄道ファンでない方は、鉄道・電車による移動を受身で退屈な時間と解釈されます。いわば、鉄道は単なる移動手段で、デパートなどのエスカレーターエレベーターに乗っているのと同じような感覚ではないかと思います。もっと言えば、工場などのベルコンベアーに乗せられているような受身な感覚でしょうか。

しかし鉄道は、エレベーターやエスカレーターに比べて、はるかに「面白みがある乗り物」であると思います。(エレベーター・エスカレーターのマニアの方、メーカーの方、スミマセン…)。

鉄道は少ないエネルギーで安全に多くの人や物を運ぶ事ができる優れた交通システムです。

●鉄道ファン or 鉄道マニア …鉄道愛好家の呼称をめぐるお話

鉄道が大好きな人は、鉄道ファン、鉄道マニア、レールファン、鉄ちゃん、鉄(テツ)、鉄子(テツコ・女性の鉄道ファン)、…などと呼ばれます。国語辞典によれば、ファン=特定の人物・団体などを熱心にひいきにする人とあり、マニア=特定の分野・物事を好み,関連品または関連情報の収集を積極的に行う人とあります。

●鉄道情報

鉄道ファン・鉄道マニアの方でなくても、普段自分が通勤・通学・買い物で乗っている電車の情報は気に掛かるもの。しかし、わざわざ鉄道会社のホームページを見る気はしない…という方には、ヤフートピックスの「鉄道業界」記事が参考になります。

 鉄道を「趣味」として扱う雑誌

漫画雑誌、週刊誌、ファッション誌、車雑誌、競馬雑誌…書店へ行けば消費者の趣味・趣向に合わせていろいろな雑誌が売られています。鉄道趣味の分野にも「鉄道ファン・鉄道マニア」の方向けに雑誌が刊行されていて、だいたい毎月20日ごろに書店に並びます。

どの鉄道雑誌も基本的に、新しい電車(新車、新型電車)の情報が載ります。

また、新幹線や特急電車、通勤電車、ロマンスカー、ブルートレイン、大手私鉄、貨物列車、○○地方の鉄道、ローカル線…などの特集を毎号組みます。特集は単発ものと連載があります。

鉄道雑誌の残念な特徴は、雑誌なのに値段が高いという点です。鉄道雑誌は他のジャンルの雑誌と違い、一時的な情報提供にとどまらず、「後世に伝え残す鉄道資料として保存するための本」という前提があるため、読み捨てが前提のマンガ雑誌などとは違い、コスト高な本になっていると言えます(単行本や愛蔵本が毎月発売されているのと同じ事かもしれません)。

普通、雑誌といえば、読み終わったら古紙回収に出してしまいますが、鉄道雑誌は鉄道ファン・鉄道マニアの方にとって「資料としての価値が高い」ため、何らかの事情が無い限り捨てない方が多いです。鉄道雑誌を整理・保管するための専用バインダーも発売されています。

鉄道ファン・鉄道マニア入門者の方にも読めそうな
代表的な2つの鉄道雑誌
鉄道ファン(月刊)

最も代表的な鉄道雑誌です。1961年創刊。同誌を刊行している交友社は、元は国鉄の運転士の教科書を製作していた出版社でした。
日本有数の鉄道ファンの全国団体である「鉄道友の会」とも関係があります。
鉄道系ゲームの「電車でGO!」や「A列車で行こう」の制作に協力した実績もあります。
毎年1月・2月号には鉄道カレンダーの付録がつきます。
良質な写真が豊富で、鉄道に関する知識が少なくても、それなりに楽しめると思われます。常に鉄道ファン入門者を意識して編集しているわけではありませんが、特集の内容や図表・イラストの構成などから、毎号購読していくうちに鉄道に関する知識が培われていくと思われます。最初は写真だけを楽しむ年少者の鉄道ファン・マニアの方も多いようです。
鉄道ジャーナル(月刊)

1967年創刊。同誌を刊行している鉄道ジャーナル社は、元は鉄道映像を記録する映画会社で国鉄のPR映像等も制作していました。「鉄道の将来を考える専門情報誌」を掲げ、他の鉄道雑誌の取り上げる内容が車両中心になっているのに対し、鉄道を取り巻くさまざまな側面から、鉄道にアプローチする社会派の雑誌です。記事は鉄道のみにとどまらず、飛行機、船、バス、工業デザイン、鉄道経営、エッセイほか多岐に及びます。よって写真よりも文章がやや多く読者の年齢層は高めです。よって社会に出られて何か専門分野を持たれている社会人の方にとっては、ある意味とっつきやすいかもしれません。
同誌の特徴は「列車追跡」と称して、ライターとカメラマンが実際に運行している列車に乗車し執筆した乗車ルポを掲載していることで、鉄道を様々な視点から記録しています。
他にも鉄道雑誌はいくつかありますが、いずれも上記の2誌よりは鉄道知識がない内容に付いていくのが難しいと思われます。

鉄道ファン・鉄道マニアへの 愉快な入門マンガ ?
『鉄子の旅』
日本の鉄道9843駅全駅下車を達成した濃い鉄道マニアでライターの男性と、日本中の鉄道にひたすら乗り「鉄道オタク的・鉄道旅行マンガ」を描くことになった女性漫画家の実録ドキュメント。 「昼食は駅弁にする」ことを条件に渋々執筆を受けた彼女は鉄道ファンではありません。最初は鉄道マニアを小バカにしていた彼女も段々、鉄道の知識を刷り込まれ……。暑苦しい容姿(絵の中では)で「鉄道オタクはカッコイイ!」と言い張る男性ライターも愉快です。鉄道趣味に限らず趣味人口が少ない世間的にマイナーとされる趣味を持つ方が自虐的になっているのを、笑いで吹き飛ばしてくれます。読んでいくうちに鉄道の知識が自然に身に付き、そして好きなものを「好きだ!」と表現して自分らしく生きる事の大切さを思い起こさせてくれます。

●鉄道・電車の「形式」に注目する

鉄道マニア・鉄道ファンでない方は、電車や路線を区別するのに「○○線の電車」という言い方をされます。しかし、電車にもバイクや車、飛行機と同じように「形式」が存在します。「形式」に着目すると、電車の製造順序の歴史が分かったり、違う路線でも同じ又は違う形式の車両が使われている事が分かったりと、興味が尽きません。

■ 電車の「形式」の表示場所

JR東日本 山手線E231系電車(2)
JR東日本 山手線E231系電車(1)

JRの電車の場合、形式は車体側面の中央付近の下部に書かれています。ハイフン(ハイフンが無い車両もあります)の手前が形式、後ろが固有の製造番号(製造された順番に振られるシリアルナンバー)です。上写真のように「クハE231−547」と書かれている場合は、E231系電車のクハE231形の547号車と解釈できます(この場合、本当は547番目に製造された車両という意味ではないのですが、それについては事項で記します)。

製造番号が「」の車両(例:クハE231- など)は、その形式で最初に製造されたトップナンバー車両です。

JR以外の私鉄の場合は、形式の表示場所は色々です。車体側面の中央付近の下部の場合もあれば、ドアの斜め上に書かれている場合もあります。JRとは違って形式名と製造番号が合成されて書かれている事もあるので、JRより表記の法則が複雑です。その形式で製造した車両数が多い場合などは、法則性を崩して表記されることもあります。

その日たまたま乗った電車の製造ナンバーで数字選択式宝くじ(ロト)を買ったら大当たりした…なんて幸運な事が起こるかも知れません。

さあ、あなたも奥深い鉄道ファン・電車ファンの世界へ…





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