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電車運転ゲームとは

●なぜ地味な電車の運転がゲームに成るのか

電車運転ゲームとは、電車の運転をシミュレートするゲームです。鉄道ファンでない方から見れば、おそらく最も地味で、レール上に拘束された不自由な乗り物である「電車をただ運転するだけの退屈なゲーム」と映るかもしれません。

しかし、電車の運転は奥深く難しいものです。同じ地上を走る乗り物でも、電車は車ほど操作に対しての反応が良くありません。自動車であれば制限速度を多少オーバーしても、どうという事はありませんが、電車を運転する場合には完璧に守らなければなりません。

電車運転ゲームで最も難しいのは駅への停車です。ただでさえ操作に対しての反応の鈍い電車を、秒単位で決められた時間内に、規定の停車位置にピタリと、乗客にショックを与えることなく、スマートに停車させなければならないからです。この「電車を運転する事の難しさ」と「厳しいルール」がゲーム性につながるのでしょう。

人間にはサディスティックな感情がある一方で、何かに制約されることに快感を覚える感情もあります。鉄道ゲームは大きな制約の中で何かを成し遂げる快感・達成感を味わわせてくれます。

●電車運転ゲームの主なタイトル

『電車でGO!』シリーズ
大手ゲームメーカー「タイトー」の電車運転ゲームで、最も知名度の高い電車運転ゲームです。1996年にゲームセンターに登場し、続編も多く作られ、家庭ゲーム機用やパソコンのソフトも発売されています。
「電車を運転し時間通りに駅の停車位置に停める」という目に見える大きな部分は現実の鉄道そのものですが、細かい部分では実際の鉄道の運転とは違うアレンジされた部分もあります。その分、難易度が低めです。
CG描画の特性を生かし、鉄道ファンが喜ぶマイナーな車両や過去の名車と、すれ違わせたり、並走させたりしています。
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『Train Simulator』(トレイン・シミュレーター)シリーズ
※ 米MS社の「Train Simulator」とは別のソフトです。
発売は『電車でGO!』よりも古く、1995年にパソコン用ゲームとして登場しました。大の鉄道ファンでありジャズフュージョンバンド「カシオペア」のキーボーディストである向谷実氏が立ち上げた「音楽館」が制作したソフトです。
「電車でGO!」が電車の運転を「ゲーム化」して、鉄道に関心のない人も取り込もうとしたのに対し、「Train Simulator」は、鉄道の運転を完璧に再現する事にこだわった作りになっています。
実写映像を使った「Train Simulator」はかつて、停車時の映像が画像処理の関係でコマ送り状態になったり、制限速度を1km/hでもオーバーしたら即・ゲームオーバーという厳しいルールとも相まって、難易度は高めでした。しかし、ハードウェアがパソコンからプレイステーション2、3に移るに従ってハードウェアの向上もあって停車時の画面の動きが滑らかになり、ゲームルールも緩められたので、難易度は多少下がりました。ゲーム構成は「鉄道ファンでない人でも楽しめるように」という方向に変化してきていますが、リアリティーを放棄したわけではありません。
「音楽館」の高い技術力は、現実の鉄道運転士の訓練用シミュレーターの開発を請け負えるほどです。

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