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電車運転ゲームに共通する攻略の流れ

●運転する電車の選択

まず自分が運転する電車(車種、ダイヤなど)を選択します。新しい電車ほど操作に対する反応がよく、運転しやすいです。ダイヤの選択では、ラッシュ時は過密ダイヤのため先行する電車との間隔が詰まりやすく、それに従って信号表示が目まぐるしく変化しますので難易度が増します。

●乗降ドアの戸閉めの確認 → 発車。

電車運転ゲームは、自分の運転する電車が駅に停車している状態から始まります。客用の乗降ドアが閉まるまで発車してはいけません。
画面もしくは運転台に表示される「運転士知らせ灯」が点灯すると全ての客用ドアが閉まった事になります。ドアが閉まったらブレーキを解除(0段。ニュートラル)して、マスコン(=マスターコントローラー=主幹制御器。車で言うアクセル)を1段目に入れます。(ゲームによっては運転士の喚声の後にマスコンを操作します)。
※最近の電車はマスコンとブレーキハンドルが一体になった車種もありますが操作は同じです。
※電車は駅に停車中は、サイドブレーキ代わりとしてブレーキを掛けた状態で停まっています。

●発車・加速

マスコンを1段目に入れると電車はじわりと動き出します。マスコンをいきなり高い段数に入れてしまうと、発車のショックが大きくなり、乗客の乗り心地と安全を損ねます(「Train Simurator」では減点されます)。
前方に低速の速度制限( 「制限40km/h」 など)が無いのなら、マスコンを最高段に入れて加速しましょう。マスコンの最高段数は鉄道会社や車種によって異なります。
前方に低速の速度制限がある場合は、マスコンは最高段に入れず、2〜3段目に入れましょう。そうすることで加速が緩やかになり、マスコンを0段にしたときのショックも緩まります。また、加速し過ぎて制限速度をオーバーしてペナルティーを受けるリスクも減らせます。

●惰性走行

ほどよい速度に達したらマスコンを0段にして惰性で走行します。
※ ほどよい速度
については、後述の「駅を定刻に通過する」をご覧下さい。
平坦な線路ならマスコンを0にしても、あまりスピードは落ちません。
上り坂の場合はスピードが落ちますので時々マスコンを入れて速度を維持します。
下り坂の場合は、マスコンを0にしても電車は加速していきますので注意しましょう。
ダイヤに余裕があるときは、早めに惰性走行に移行して、流すように運転して、駅への早着を防ぎます。
ダイヤに余裕がないときは、できるだけ駅手前まで加速し、短い制動距離でチキンレースの要領で停車させます。

●速度制限

電車は、きついカーブや、ポイントの非・直進側を走行するときは、スピードを落として走行します。それらの箇所に速度制限が設けられています。遠心力で車両が脱線しないようにという以前に、乗客が恐怖を感じない程度の速度で走行するように制限速度は決められています。
また、工事箇所に臨時の速度制限が設けられている事もあります。
自動車では制限速度を多少オーバーしても大丈夫ですが、鉄道では厳格に守らなければなりません。1km/hの速度オーバーで即・ペナルティーが発生するか、2km/hオーバーまでならペナルティーを受けないか等は、ゲームの難易度により異なります。

●信号

電車の信号は、前方を先行する電車との間に安全な車間距離を保つために設置されていますので、自動車の信号とは意味合いが異なります。

車外信号
線路脇に立っている信号機です。自動車の信号同様、「『青(緑)』は進め」で、「『赤』は止まれ」ですが、「黄色はスピードを落として進め」という意味です。黄色信号で具体的に何km/hまで速度を落とすのかは、鉄道会社・路線により異なります。
黄色と緑が同時に点灯したり、黄色が二つ点灯する信号もあります。それらは電車の速度において「緑色 > 緑色+黄色 > 黄色 > 黄色×2」という関係になります。
自分の運転する電車と先行電車との間隔が詰まると信号が緑から黄色系へ変わり、減速を促されます。さらに間隔が詰まると赤信号となります。また先行電車との距離が詰まらなくても、速度制限箇所がある場合、黄色系の信号が点灯します。
電車が信号機を通過するまでに信号機の指示する速度以下に減速しなければなりません。信号無視は減点対象です。

車内信号
ATC(Automatic Train Control)=自動列車制御装置です。運転台に今出しても良い最高速度が表示されます。ATCの指示速度を超えると、自動的にブレーキがかかり、指示速度まで減速します。電車運転ゲームの種類・設定によってはATCでブレーキが掛かると減点されます。ただし新幹線はATCブレーキにより減速するので、ATC指示速度を超えても減点はありません(「電車でGO!」はゲーム設定によりペナルティーを受ける場合があります)。

●駅を定刻に通過する

駅を定刻に通過するために、通過時刻と次の駅までの所要時間から、今何km/hで走行したらよいかを暗算し、速度を調整します。

スピード・時間・走行距離の関係
※単位のない数字はm(メートル)です。
厳密な値 アバウトな値
10秒 20秒 30秒 1分 2分 10秒 20秒 30秒 1分 2分
40km/h 111 222 333 667 1333 40km/h 100 200 300 600 1200
50km/h 139 278 417 833 1667 50km/h 150 300 450 900 1800
60km/h 167 333 500 1000 2000 60km/h 170 340 510 1020 2040
70km/h 194 389 583 1167 2333 70km/h 200 400 600 1200 2400
80km/h 222 444 667 1333 2667 80km/h 230 460 690 1380 2760
90km/h 250 500 750 1500 3000 90km/h 250 500 750 1500 3000
100km/h 278 556 833 1667 3333 100km/h 275 550 825 1650 3300
110km/h 306 611 917 1833 3667 110km/h 300 600 900 1800 3600
120km/h 333 667 1000 2000 4000 120km/h 330 660 990 1980 3960
130km/h 361 722 1083 2167 4333 130km/h 350 700 1050 2100 4200

表左の「10秒で進む距離」の端数をならし(90km/hの場合は端数は出ません=表の肌色の部分)、端数をならした「10秒で進む距離」の値をもとに表右を作りました。
運転中は端数をならした「10秒で進む距離」(表の灰色の部分)を基準に計算します。
当然誤差は出ますが、通過位置まであと2分地点、1分地点、30秒地点…とその都度計算して、速度を調整します。
誤差±1秒未満で通過すれば「定時通過」となるので、表右の計算結果のように多少の誤差が出ても大丈夫です。

例 )通過位置まで残り約1500mで所要時間が約1分のときは、90km/hで運転すればよい。

●停車駅へ向けた減速

駅に近づいて電車を減速させる時は、停車の時に次いで緊張するものです。
筆者の独断によるブレーキのタイミングは以下の通りです。

ブレーキタイミング
(電車の性能や、線路の勾配(上り坂 or 下り坂)の有無で数値は前後します)
(キリの良い速度や、停止位置までの残り距離で、各自研究してください)
使用段数 40km/h 50km/h 60km/h 70km/h 80km/h 90km/h 100km/h
5段式ブレーキ 4〜5段目 100m 150m 200m 250m 300m 400m 500m
7段式または
8段式ブレーキ
5〜7段目

●停車

電車の運転でもっとも難しいのは停車時のブレーキです。電車運転ゲームの山場も停車時のブレーキ操作にあると言えます。
電車の運転では、なるべく少ないブレーキ操作で電車を止めるのが理想とされています。
ブレーキを少し強めに掛けて減速していき、スピードが落ちるに従ってブレーキを数段階以内で緩め、最後は緩いブレーキで停車するというものです。ブレーキを弱めてから再び強めるのは「こめ直し」と呼ばれ、試験では減点対象となります。
かといって、模範どおりの運転は中々難しいものがありますが、なるべくブレーキをガチャガチャ動かさない運転を心掛けましょう。
『電車でGO!』がゲームセンターでヒットした時に、ブレーキの8段目(最高段)しか使わずに運転している方が多く見られましたが、そのような運転は避けましょう。乗り心地が悪くなるだけでなく、実はかえって運転し辛いものです。

非・模範的方法ですが、「0・100ブレーキ」よりは効果的な方法をご紹介します。
駅が近づいてきたらやや強めにブレーキを掛けます。
停止位置の手前で止まってしまいそうならブレーキを「緩め」ます(0にはしません)。逆に停止位置を通り過ぎそうになったら、ブレーキを強めます。これを数回繰り返し、停止する前にブレーキを少し緩めます。
例)ブレーキ段数:6→3→5→3→4→2(停止)※プロの方から見れば稚拙な方法ではあります。


電車のスピードが落ちてきた時に『Train simulator』で注意したいのが、「電気ブレーキ」と「空気ブレーキ」が切り替わるタイミングです。この時、ウォーン…というモーターの唸りが止み、電流計と圧力計の針が動きます。この時にブレーキレバーを動かすと、ブレーキの利きが悪くなります。この場合、計器類の針を見て、完全に空気ブレーキに移行してから、ブレーキを操作しましょう。新しい車両ほど電気ブレーキが低速まで作用し、電気ブレーキと空気ブレーキの切り替わりもスムーズで運転しやすいです。

●新幹線の運転

新幹線の運転は在来線の電車に比べると大きな違いがあります。
新幹線は高速で走行するために抵抗が大きく、走行中は余程の急な下り坂でない限り、マスコンは入れっぱなしになります。そのため、新幹線のマスコンは在来線の倍以上の段数(10段以上)があります。加速するときはマスコンの最高段を使い、速度を維持するときは低い段数を使います。速度や勾配の有無により、たくさんあるマスコンの段数を使い分け、速度を一定に保ちます。新幹線運転ゲームの山場は、走行中にいかに速度を保つかにあるといえるでしょう。
新幹線の場合は減速はATCによる自動ブレーキで行い、運転士は新幹線がかなり低速になってから初めて手動ブレーキを操作し、停止位置に合わせて微調整するように停車させます。
新幹線の運転台は、在来線電車の運転台とは違い、マスコンとブレーキの配置が左右逆ですので、ゲームコントローラーも左右逆のボタンが割り当てられます。

スピード・時間・走行距離の関係
※単位のない数字はm(メートル)です。
厳密な値 アバウトな値
10秒 20秒 30秒 1分 2分 10秒 20秒 30秒 1分 2分
160km/h 444 889 1333 2667 5333 160km/h 450 900 1350 2700 5400
200km/h 556 1111 1667 3333 6667 200km/h 550 1100 1650 3300 6600
250km/h 694 1389 2083 4167 8333 250km/h 700 1400 2100 4200 8400
300km/h 833 1667 2500 5000 10000 300km/h 800 1600 2400 4800 9600